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Hubbard, S.*; 佐藤 真一郎; Schmieder, K.*; Strong, W.*; Forbes, D.*; Bailey, C. G.*; Hoheisel, R.*; Walters, R. J.*
Proceedings of 40th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-40) (CD-ROM), p.1045 - 1050, 2014/06
量子ドット(QD)を含むガリウム砒素(GaAs)pn接合ダイオードとQDを含まないpnダイオードに対する、1MeV電子線及び140keV陽子線照射の影響を欠陥準位評価(DLTS)法によって評価した。照射前のQDダイオードからはEc0.75eVの欠陥準位が観測され、電子線照射後はそれに加えて、GaAsにおいてよく見られるE3, E4トラップと思われる準位が観測された。QDを含まないGaAsダイオードと比較すると、点欠陥起因のE3のトラップ密度は低く、複合欠陥起因のE4トラップ密度は高くなる傾向にあることが分かった。同様に、陽子線照射後はPR1, PR2, PR4'トラップが観測された。QDを含まないGaAsダイオードの結果と比較すると、PR4'のトラップ密度は低く、PR2については有意な差が見られないことが分かった。これらの結果から、QD層が点欠陥の生成を抑制し、逆に複合欠陥を生成しやすくする可能性があると結論付けられる。
Maximenko, S.*; Lumb, M.*; Hoheisel, R.*; Gonzlez, M.*; Scheiman, D.*; Messenger, S.*; Tibbits, T. N. D.*; 今泉 充*; 大島 武; 佐藤 真一郎; et al.
Proceedings of 40th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-40) (CD-ROM), p.2144 - 2148, 2014/06
多重量子井戸(MQW)構造を持つガリウム砒素(GaAs)太陽電池の放射線応答を明らかにするため、電子線および陽子線を照射し、電子線誘起電流(EBIC)測定および、容量・電圧(CV)測定を用いて複合的に解析した。MQW層の電子輸送特性をEBICによって調べ、2次元拡散モデルを用いて解析したところ、照射によりMQW層における電界強度分布が不均一化することが明らかとなった。また、CV測定の結果から、はじき出し損傷量が1MeV/g以下の領域でMQW層の伝導型が弱いn型からp型へ変化している可能性が見出された。この結果は、EBICの測定結果から得られる電界強度の変化と一致しており、MQW層における特有の劣化現象である可能性が示唆された。
荒川 和夫
放射線化学, (80), p.57 - 59, 2005/09
第14回TIARA研究発表会の開催結果について報告したもので、研究発表会の趣旨,特徴プログラム構成について紹介するとともに、特別講演(1件),特別セッション(発表3件),口頭発表10件について講演・発表内容の概要をまとめた。
横田 渉; 荒川 和夫; 奥村 進; 福田 光宏; 神谷 富裕; 中村 義輝
Proceedings of 4th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application, p.179 - 184, 2000/10
高崎研のイオン照射施設(TIARA)では、ビーム利用研究の進展に合わせてさまざまな実験装置が作られている。3MVタンデム加速器の重イオン用シングルイオンヒットマイクロビーム装置は、宇宙用半導体のシングルイベント効果の研究に利用されてきた。新たにサイクロトロンビームを用いた高エネルギー重イオンシングルイオンヒットマイクロビーム装置の開発が進められている。加速器技術にも多くの進展があり、イオンビームの利用範囲を広げている。サイクロトロンには金属イオン用ECRイオン源が設置され、カクテルビーム加速ではM/Q=2,4,5について技術開発を終えている。またサイクロトロン磁場の安定化により、ビームが時間とともに減少する現象が大きく改善された。さらに、将来計画として超伝導サイクロトロンの建設が提案されている。本講演ではこれらの装置、技術開発及び将来計画を詳しく紹介する。
梨山 勇; 平尾 敏雄
放射線と産業, 0(61), p.37 - 41, 1994/00
高崎研究所のイオン照射研究(TIARA)で行っている宇宙用半導体のシングルイベント効果に関する研究のうち、宇宙ステーションに使う256キロビットメモリー集積回路のソフトエラー耐性の評価、並びに、最近著しい技術進歩が見られる集束型高エネルギー重イオンマイクロビームを利用したシングルイベント基礎過程の研究を紹介する。先ず、集積回路に関しては、サイクロトロンで得られる5種類のイオンビームを使って、その臨界LETが2.8MeVcm/mgであり、飽和反転断面積が3.010cm/ビットであることを明らかにした。次に、重イオンマイクロビームとシリコンダイオードを用いて、シングルイベント現象の基礎過程である電荷集積の過渡応答を調べ、この現象は数百ピコ秒でありLETの大きなイオンほど大量の電荷が収集されることが判明した。これに加え、全収集電荷量と理論モデルの結果との比較を行った。
梨山 勇
EMC: electro magnetic compatibility: solution technology: 電磁環境工学情報, (58), p.70 - 75, 1993/02
人工衛生や宇宙開発の信頼性はそこで使用する半導体部品の宇宙放射線による劣化や誤動作に左右されることが多い。半導体素子に対する宇宙放射線の効果は、トータルドーズ効果とシングルイベント効果に分けられる。MOS構造に対するトータルドーズ耐性の向上は酸化プロセスの低温化や酸化膜厚の低減などによって大巾に改善できようになった。これに対し、シングルイベント効果は耐性の評価が困難であるため、その耐性の向上は今後の研究開発課題となっている。日本原子力研究所高崎研究所の放射線高度利用研究施設のサイクロトロンとマイクロイオンビーム装置はこのための強力な手段となる。また、トータルドーズとシングルイベント両面で優れた耐性を期待できる新しい半導体材料としては、低原子番号広バンド巾半導体である炭化ケイ素が有望である。
神谷 富裕; 湯藤 秀典; 田中 隆一
第5回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.116 - 119, 1992/07
宇宙用半導体素子のシングルイベント効果の機構解明及びヒット部位依存性評価のため製作された重イオンマイクロビーム装置は、マイクロビーム集束、ビーム照準及びシングルイオンヒットが可能なように設計されている。本装置の制御は、精密レンズ、ビームシフター、ファラデーカップ及びスリット等のビームライン機器の制御と、ビームスキャナー、2次電子検出器及びターゲットステージ等のターゲットシステムの制御に分けられ、それぞれ計算機を介して遠隔で行われる。このシステムを用いてビームサイズ計測やビーム照準が行われ、これまでに15MeVのNiビームで0.71.1mのスポットサイズが確認された。なお、シングルイオン検出器のオフラインでの調整が現在進められており、今後ターゲットシステムに組み込まれる予定である。
神谷 富裕; 湯藤 秀典*; 田中 隆一
第3回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム, p.453 - 456, 1992/00
宇宙用半導体素子におけるシングルイベント効果の基礎的な機構を解明するための重イオンマイクロビーム装置が開発された。本装置は高エネルギーの多種のイオンと1m以下に集束し、試料に1m程度の位置精度でビーム照準を行い、そこに単一イオンを打込むシングルイオンヒットを可能とするよう設計された。我々すでに15MeVNiイオンビームで1nのビームサイズを達成しており、現在ビーム照準とシングルイオンヒットの技術開発を進めている。
森田 洋右
放射線と産業, (52), p.40 - 42, 1991/12
人工衛生等の宇宙で使用される半導体素子の耐放射線性の研究の概要について解説した。まず、地球周辺の宇宙の放射線環境について述べ、微細な半導体素子に重イオンが入射した時の現状について述べた。また、タンデム加速器のマイクロビームを使用する半導体素子のエラー発生のマッピングの研究についても説明した。